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■前集4項

勢利紛華、不近者為潔。近之而不染者為尤潔。智械機巧、不知者為高。知之而不用者為尤高。

勢利紛華(せいりふんか)は、近づかざる者を潔(きよ)しとなし、これに近づきて而(しか)も染まざるものを尤(もっと)も潔しとなす。
智械機巧(ちかいきこう)は、知らざるものを高しとなし、これを知りて而も用いざる者を尤も高しとなす。

有名で力があり勢いがあって華麗な人間や俗事に近づかない者は清潔ですが、近づいていても染まらない者はもっと清潔で、悪賢く策を弄する事を知らない者は、もっともっと清潔ですが、彼らを知っていてもそれらを利用しない者こそ最高に清潔すなわち高潔なのです。
つまり、人間は他に依存しない事が大事であり、親の七光りを利用したり、縁故を利用するのは下衆のすることです。力のある者を忌み嫌う必要はありませんが、努々、下衆の下心は持たないようにすべきである。
言い換えると、活人たる者は、独立心と自負心を抱き、近道を行く事無く、自力で道を極めなさいということです。
慧智(030531)