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■前集35項

人情反復、世路崎嶇。行不去処、須知退一歩之法。
行得去処、務加譲三分之功。

人情は反復し、世路(せいろ)は崎嶇(きく)たり。
行(ゆ)き去らざる処(ところ)は、須(すべか)らく一歩を退くの法を知るべし。
行き得去(えざ)る処は、務(つとめ)て三分を譲るの功を加えよ。

人情は手のひらを反すように変り易く、人生行路はまことに険しい。
抜き差しならないところでは、必ず一歩引くことをわきまえ、
通れるところでも、チョッと譲ることをわきまえるべきである。
つまり、活人は攻めるにしても守るにしても、リスクを計算して、「一歩引く」という行動スタイルをとるべきだということ。
言い換えれば、謙譲は美徳以上の価値があるということを知って実践しているのが活人と言えるのだろう。
慧智(030602)