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■前集180項

語云、登山耐側路、踏雪耐危橋。
一耐字極有意味。
如傾険之人情、坎坷之世道、若不得一耐字撑持過去、幾何不堕入榛莾坑塹哉。

語(ご)に云(い)う、「山に登りては脇路(そくろ)に耐(た)え、雪を踏んでは危橋(ききょう)に耐(た)う」。
一(いつ)の耐(たい)の字(じ)、極めて意味有り。
傾険(けいけん)の人情(にんじょう)、坎坷(かんか)の世道(せどう)の如(ごと)きも、若(も)し一(いつ)の耐(たい)の字(じ)を得(え)て、撑持(とうじ)し過ぎ去らずば、幾何(いくばく)か榛莾坑塹(しんぼうこうざん)に堕入(だにゅう)せざらんや。

古(いにしえ)の言葉に「山に登る時は、険しい斜面に耐え、雪道では雪が積もっている危険な橋(当時は欄干が無く滑ると川に落ちた)に耐えて歩きなさい」と。
耐えるという事は大変大きな意味がある。
偏見に満ちた人情や不遇な境遇でも、もし「耐(える)」という一字を継続できければ、どれだけ多くの者が、藪や穴や堀に落ちないですみことか。
つまり、何は無くても「忍耐」ということ。
言い換えれば、活人は、どんな状態でも夢と希望と忍耐こそが成功の秘訣ということ覚えておきなさい。
慧智(030629)