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■後集10項

賓朋雲集、劇飲淋漓楽矣。
俄而漏尽燭残、香銷茗冷、不覚反成嘔咽、令人索然無味。
天下事率類此、人奈何不早回頭也。

賓朋雲集(ひんぽううんしゅう)し、劇飲淋漓(げきいんりんり)として楽(たの)しめり。
俄(にわ)かにして漏(ろ)尽(つ)き、燭(しょく)残(のこ)らば、香(こう)銷(き)え、茗(めい)冷(ひ)やかにして、覚(おぼ)えず、反(かえ)って嘔咽(おうえつ)を成(な)し、人(ひと)をして索然(さきぜん)として味(あじ)無(な)からしむ。
天下(てんか)の事(こと)も率(おおむ)ね此(こ)れに類(るい)し、人(ひと)奈何(いかん)とも早(はや)く頭(あたま)を回(めぐ)らさん。

賓客や朋友が沢山集まり、とことん酒を飲みのは楽しいものだが、やがて夜が更け、蝋燭も無くなり、お香も消え、お茶も冷たくなり、思わず咽(むせ)び泣きして、客を味気ない状態にしてがっかりさせる
まあ、世の中のことは、得てして、皆このようなものだから、何故、人々はそれに気付き考え直さないのだろうか。
つまり、退役後も人があつまり、酒を酌み交わせば楽しいものだが、世も暮れ、明かりは消えかけ、お香の香りも消え、お茶は冷え切るころになると、無性に寂しくなるのは、まだまだ現役時代に未練がある証拠だが、その場限りの酒宴の空しさは辛いもので、現役時代にそれに気付いて、馬鹿げた酒宴と縁を切っておけば、こんな空しい思いは今更しないものだ。
言い換えれば、退役してからの宴会は、瞬間的には楽しいが、終われば空しさしか残こらないから、一人静かに暮すことが出来る極め尽くせない趣味を持ち、全てを悟って達人の域に達しなさいと言っているのかも知れない。
慧智(030708)