«« ■後集11項 | メイン | ■後集13項 » »

■後集12項

山河大地、已属微塵。
而況塵中之塵。
血肉身軀、且帰泡影。
而況影外之影。
非上上智、無了了心。

山河大地(さんがだいち)、已(すで)に微塵(びじん)に属(ぞく)す。
而(しか)るを況(いわん)や塵中(じんちゅう)の塵(じん)をや。
血肉身軀(けつにくしんく)、且(か)つ泡影(ほうえい)に帰(き)す。
而(しか)るを況(いわん)や影外(えいがい)の影(えい)をや。
上々(じょうじょう)の智に非(あら)ざれば、了々(りょうりょう)の心(しん)無し。

達人の域に達すれば、山河や大地のような大きい存在でも、すでに細かな類でしかない。ましてや、塵の中の塵である虫などは取るに足りないことである。
また、人間の肉体のように実在するかのように思える存在も、流れに浮かぶ泡や物の影のように、いづれは消え去る。
ましてや、影(肉体)の影のような虚像である名誉や地位の類は、虚しいものであることは言うまでもないが、最上の智慧が無ければ悟った人間にはなれない。
つまり、坐禅によってのみ得られる最高の智慧である摩訶衍の禅定(大乗の智慧)を得て、色則是空・空則是色から「無」の真理を悟ってないようでは退役に値する達人とは言えない。
言い換えれば、達人は原理原則である真理を心得ていて、一を知れば全てを見通す心眼の持ち主ということである。
慧智(030709)