最近のひとこと から

雲外一閑身

うんげのいちかんしん

悟りに優劣は無く、全ては大悟(宇宙の本質を体験的に知る)の断片である。悟りを得れば、俗の塵埃に塗れることなく、何処にあっても「悠々自適」に生きていられる。人生は都合の良い流れの時もあるが、不都合な流れに巻き込まれることもある。しかし、大悟した者は、如何なる場合でも両忘、有るとか無いとかは無い(故に“空”なのである)。つまり、悟りとは宇宙の本質が“空”であり、無常、つまりは“無”なのである。すると、どんな生き方をするか。所謂“達観”し、何事にも囚われず、拘らず、偏らないが、流されることとなく、主体的に流れにのって融通無碍に生きている。それを第三者が観れば「掴み所が無い」、或いは「吹き流し」のように大事な何かを示しつつも力むことなどない人と観えるだろう。

伊豆国際禅堂師家 虚庵快山慧智 合掌

2022/5/23

 

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