最近のひとこと から

婆子焼庵

ばすしょうあん

禅の公案の中でも難問と言われる「愛欲を超える道」を気付かせるもの。つまり、己の生存や種の保存の「本能」を適切に活かす道を見つけさせるための公案。言い換えると、生命欲、性欲、食欲所有欲--本能に置き換えてみる。食べなければ生きてゆけないが、食べ過ぎれば病に陥り生命を落とす。食べる事は手段なのか目的なのか。目的であるはずはなく、生きて働くための必須の手段である。では、性欲はどうだろう。性交が無ければ子孫はできず人間という種は滅びる。誰とでも交われば良いか。当然、そこには軋轢が生まれて社会の維持はできない。では、どうするか。自分で考え、実践するのが公案である以上、ここでは語らない。俗の世界なら「必要最低限」かもしれないが、欲求充足でも禁欲であっても人間社会は崩壊する。さて、貴方なら如何に応え、如何に動くか?

伊豆国際禅堂師家 虚庵快山慧智 合掌

2022/5/30

 

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