«« ■前集9項 | メイン | ■前集11項 » »

■前集10項

恩裡由来生害。故快意時、須早回頭。敗後或反成功。故払心処、莫便放手。

恩裡(おんり)に由来して害を生ず。故に快意の時、須(すべか)く早く頭(こうべ)を回(めぐ)らすべし。
敗れし後、或(ある)いは反して功を成す。故に払心(ふっしん)の処、便(すなわ)ちを放つこと莫(なか)れ。

「恩」という心や「愛」という心から「災い」が生じる。だから楽しい気分の良い時こそ、それまでを反省すべきである。その逆に、失敗したからこそ成功することがあるから、意に添わぬ事でも投げ出してはいけない。
つまり、活人は、好き嫌いは勿論、結果に囚われてプロセスを考えてはいけないということ。
言い換えれば、大志を抱いて、大志に拘らずというのが活人の生き方なのだ。
慧智(030531)