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■前集9項

夜深人静、独坐観心、始覚妄窮而真独露。毎於此中、得大機趣。既覚真現而妄難逃、又於此中、得大慚忸。

夜深く人静まるとき、独り坐して心を観(み)れば、始めて妄窮(もうきわ)まりて、真、独(ひとり)り露(あら)わるを覚(さと)る。
毎(つね)にこの中において、大機趣を得(う)。すでに真、現(あら)われて妄(もう)の逃れがたきを覚る。またこの中において、大慚忸(だいぎんじく)を得る。

人の寝静まった夜中に独坐(どくざ)して自分の本心を観じれば、妄念は消えうせ本心が自然と表れてくる経験をする。このように本質と出会うときは一人静かに自分を見つけているときである。また、本心に出会って、さらに妄念を捨てきれないと感じれば、一段と大きい懺悔の心が生じる。
つまり、活人はむやみに物を集め、人と群れることはない。
言い換えれば、活人たる者、「個独」を楽しめということ。
慧智(030531)