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■前集24項

糞虫至穢、変為蝉而飲露於秋風。
腐草無光、化為蛍而燿釆於夏月。
固知潔常自汚出、明毎従晦生也。

糞虫(ふんちゅう)は至穢(しわい)なるも、変じて蝉(せみ)となりて露(つゆ)を秋風に飲む。
腐草(ふそう)は光なきも、化して蛍(ほたる)となりて釆(さい)を夏月(かげつ)に耀(かがや)かす。
周(まこと)に知る、潔きは常に汚れより出で、明るきは毎(つね)に晦(みそか)より生ずるを。

堆肥で湧いた「うじ虫」は極めて汚いが、変身すればセミになり、秋風の中で露を飲む。
腐った草に光はないが、変身して「ほたる」になり、夏の月夜に光彩を輝かす。
潔(きよ)いものは、いつでも汚れたものから生まれ、明るいものは、いつでも暗いものから生まれる。
つまり、活人は先の先を見通して人に接するべきで、自他の可能性の芽を摘むことの無い様にということ。言い換えれば、「ご縁は一生の財産」と認識することなのだ。
慧智(030601)