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■前集26項

飽後思味、則濃淡之境都消、色後思婬、則男女之見尽絶。
故人常以事後之悔悟、破臨事之癡迷、則性定而動無不正。

飽後(ほうご)、味を思えば、則(すなわ)ち濃淡の境(きょう)都(すべ)て消え、色後、婬(いん)を思えば、男女の見尽(けん・ことごと)く絶ゆ。
故(ゆえ)に人つねに事後の悔悟(かいご)をもって、臨事の癡迷(ちめい)を破らば、則(すなわ)ち性(せい)定まりて、動くこと正しからざるはなし。

十分に腹を満たした後に、味を考えると、濃い薄いなどなくなり、セックスの後に欲情を考えると、男だ女だという考えは消えてしまう。
つまり、活人は、事後に起きる「後悔」の本質を知り、無駄な時間の存在を無くすように考慮して生きているものなのです。
言い換えれば、活人の腰は、しっかりと坐っており、軽薄な行動はしないものである。
慧智(030601)