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■前集45項

学者、要収拾精神、併帰一路。
如修徳而留意於事功名誉、必無実詣。
読書而寄興於吟咏風雅、定不深心。

学ぶ者、精神を収拾して、一路に併帰(へいき)するを要す。
如(も)し徳(とく)を修め、意を事功名誉(じこうめいよ)に留(とど)めれば、必ず実詣(じっけい)無し。
書を読みて、而(しか)も、興(きゅう)を吟咏風雅(ぎんえいふうが)に寄(よ)すれば、定めて深心(しんしん)ならず。

学問の道を志す者は、気力を一点に集中しなければならない。もし仮に道徳的に生き、名誉に気を取られているようでは、業績を残すことは出来ないし、本を読みつつ風流な遊びに心を奪われているようでは、本物の学者にはなれない。
つまり、善く思わせたい・思われたいという心が有っては本物の活人とは言えませんということ。
言い換えれば、活人は他人との無意味な競争や他人の評価を離れて、過去の自分を毎日越えて行くような生き方を日々淡々と行いだけ、といえる。
慧智(030604)