«« ■前集86項 | メイン | ■前集88項 » »

■前集87項

念頭起処、纔覚向欲路上去、便挽従理路上来。
一起便覚、一覚便転。
此是転禍為福、起死回生的関頭。
切莫軽易放過。

念頭(ねんとう)起(お)こる処(ところ)、纔(わず)かに欲路(よくろ)上(じょう)に向かって去るを覚(さと)らば、便(すなわ)ち挽(ひ)きて理路(りろ)上(じょう)より来(き)たせ。
一たび起(お)こらば便(すな)ち覚(さと)り、一たび覚(さと)らば便(すなわ)ち転(てん)ず。
此(これ)は是(これ)、禍(わざわい)を転(てん)じて福(ふく)と為(な)し、死(し)を起(お)こして生(せい)を回(かえ)すの関頭(かんとう)なり。
切(せつ)に軽易(けいい)に放過(ほうか)すること莫(なか)れ。

心が動いた時、欲望に傾いていると感じたら、直ぐに道理の方向に修正せよ。
チョッとでも心が動いたと感じたら、それを感じて正しい方向へ舵をきれ。
それこそが、災いを幸いに転じ、起死回生の大チャンスなのあから、軽々しく見逃すようななということ。
つまり、変化は芽が出た瞬間に対応すれば、悪い方向には行かないし、起死回生の一発だって可能だということ。
言い換えれば、活人は観自在の物事が看え、素直な心の持ち主ということだ。
慧智(030612)