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■前集88項

静中念慮澄徹、見心之真体。
閑中気象従容、識心之真機。
淡中意趣冲夷、得心之真味。
観心証道、無如此三者。

静中(せいちゅう)の念慮澄徹(ねんりょちょうてつ)なれば、心(こころ)の真体(しんたい)を見る。
閑中(かんちゅう)の気象従容(きしょうしゅうよう)なれば、心の真機(しんき)を識(し)る。
淡中(たんちゅう)の意趣冲夷(いしちゅうい)なれば、心の真味(しんみ)を得(う)る。
心を観(かん)じ道(みち)を証(しょう)するは、此(こ)の三者(さんしゃ)に如(し)くは無し。静けさ中で、澄みきった思い考えが出来ていれば、心の本当の在り方が見える。

閑な時に、ゆったりと気持ちが落ち着いていれば、心の本当の動き方が見える。
穏やかな時に、わだかまり無く淡々としていれば、心の本当の味い方が見える。
本心を知り、正道を理解するには、前出の3つの方法に勝るものはない。
つまり、どんなときでも、清らかで落ち着いていて淡々としていることが悟りへの最短距離だということ。
言い換えれば、活人は人生を其れなりに悟り、日々に気付きがある人といえる。
慧智(030612)