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■前集102項

人心一真、便霜可飛、城可隕、金石可貫。
若偽妄之人、形骸徒具、真宰已亡。
対人側面目可憎、独居則形影自媿。

人心(じんしん)の一真(いっしん)、便(すなわ)ち霜(しも)をも飛(とば)ばすべく、城(しろ)をも隕(おと)すべく、金石(きんせき)をも貫(つらぬ)くべし。
偽妄(ぎぼう)の人(ひと)の若(ごと)きは、形骸(けいがい)は徒(いたずら)に具(そな)わるも、真宰(しんさい)は已(すで)に亡(ほろ)ぶ。
人に対せば則(すなわ)ち面目(めんもく)憎(にく)むべく、独居(どっきょ)すれば則(すなわ)ち形影(けいえい)自(みずから)媿ず。

人の心が真実なら、夏に霜を降らし、城壁を崩し、金石も貫く。
これに対し、心が出鱈目なら、肉体で生きているだけで、肝心な心がない。
だから、人前での顔は憎たらしく、自分一人の時は自己嫌悪に陥る。
つまり、心が綺麗な人は、いざとなれば奇跡をも起こせるだろうが、卑しい人間は自分すら嫌いになるということで、人間は心の持ち方が人生を決めるということ。
言い換えれば、活人は奇跡をも起こせる人なのだ。
慧智(030614)