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■前集193項

讃夫毀士、如寸雲蔽日、不久自明。
媚子阿人、似隙風侵肌、不覚其損。

讃夫毀士(ざんぷきし)は、寸雲(すんうん)の日(ひ)を蔽(おお)うが如(ごと)く、久(ひさ)しからずして自(おのず)から明(あき)らかなり。
媚子阿人(びしあじん)は、隙風(げきふう)の肌(はだ)を侵(おか)すに似(に)て、その損(そん)を覚(おぼ)えず。

誹謗中傷する者は、一瞬だけ雲が太陽を覆うようなもので、事実は直ぐ明らかになる。
媚び諂うような者は、微風がじわじわと肌を傷つけるなもので、知らぬ間に体を悪くする。
つまり、心の外でおきる出来事は瞬間でしかないが、心の中でおきる出来事は長引くということ。
言い換えれば、活人は、世間の風には自然治癒力があり、心の中には免疫力を高める道徳という薬があるが、それを飲まなければ発動しませんよ、というこを知っておけということ。
慧智(030702)