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■前集196項

処世、不宜与俗同、亦不宜与俗異。
作事、不宜令人厭、亦不宜令人喜。

世(よ)に処(お)るには、宜(よろ)しく俗(ぞく)と同(どう)ずべからず、亦(また)宜(よろ)しく俗(ぞく)と異(い)なるべからず。
事(こと)を作(な)すには、宜(よろ)しく人をして厭(いと)わしむべからず、亦(また)宜(よろ)しく人をして喜(よろこ)ばしむべからず。

処世術としては、俗人と迎合してはいけないが、異端であってもいけない。
事業を起こすには、人の気分を害してはいけないが、喜ばせるのもいけない。
つまり、生きるにしても、仕事をするにしても、極端な状態は良くない。
言い換えれば、出る釘は打たれるし、出なければ抜かれるということ。
翻った言えば、活人は、世の中の全ては相対的だから、今すべきことを淡々としているのが一番の処世術だということを忘れるなということ。
慧智(030703)