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■前集197項

日既暮、而猶烟霞絢爛。
歳将晩、而更橙橘芳馨。
故末路晩年、君子更宜精神百倍。

日(ひ)既(すで)に暮れ、而(しか)も猶(な)お烟霞絢爛(えんかけんれん)たり。
歳(とし)将(まさ)に晩(く)れんとし、而(しか)も更(さら)に橙橘芳馨(とうきほうけい)たり。
故(ゆえ)に末路晩年(まつろばんねん)には、君子(くんし)更(さら)に宜(よろ)しく精神百倍(せいしんひゃくばい)すべし。

陽が沈んでも、夕映えは美しく輝いている。
年の瀬が来ても、橙(だいだい)や橘(たちばな)はさらに芳しい。
故に、晩年になってこそ、上に立つ立派な人間は百倍の精神力を発揮すべきなのだ。
つまり、もう終わりだという時期こそ、最後のチャンスがあり、頑張り次第で光り輝けるのだ。
言換えれば、活人は、有終の美は諦めない者には用意されているということを潜在意識に記銘しておくことだ。
慧智(030703)