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■前集198項

鷹立如睡、虎行似病。
正是他攫人噬人手段処。
故君子、要聡明不露、才華不逞。
纔有肩鴻任鉅的力量。

鷹(たか)の立(た)つや、睡(ねむ)るが如(ごと)く、虎(とら)の行(ゆ)くや病(や)むに似(に)たり。
正(まさ)に是(こ)れ他(かれ)の人(ひと)を攫(つか)み、人(ひと)を噬(か)む手段(しゅだん)の処(ところ)なり。
故(ゆえ)に君子(くんし)は、聡明(そうめい)を露(あら)わさず、才華(さいか)を逞(たくま)しくせざるを要す。
纔(わず)かに肩鴻任鉅(けんこうにんきょ)の力量(りきりょう)有(あ)り。

鷹が木に止まる姿は恰も眠るようであり、虎の動きは恰も病んでいるようだ。
これこそが、正に人間を襲い、攫み、噛付く方法なのだ。
だから、人の上に立つ立派な人間は、賢明さを悟らせず、才能を振り回さないようにする必要がある。
それでこそ大事を担う力量があると言えるのだ。
つまり、能ある鷹は爪を隠すということなのだが、実は鷹であることも隠しておけということ。
言い換えれば、活人は、大事の前の小事・障害は出来るだけ相手に油断をさせ、構えさせないようにしておけ、ということを忘れるな。
慧智(030703)