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■前集205項

仁人心地寛舒、便福厚而慶長、事事成個寛舒気象。
鄙夫念頭迫促、便禄薄而沢短、事事得個迫促規模。

仁人(じんじん)は、心地寛舒(しんちかんじょ)なれば、便(すなわ)ち福(ふく)厚(あつ)くして慶(けい)長(なが)く、事々(じじ)に個(こ)の寛舒(かんじょ)の気象(きしょう)を成(な)す。
鄙夫(ひふ)は、念頭迫促(ねんとうはくそく)なれば、便(すなわ)ち禄薄(ろくすう)くして沢(たく)短(みじか)く、事々(じじ)に個(こ)の迫促(はくそく)の規模(きぼ)を得(う)。

思いやりの心を持った人は、心が伸びやかで幸せで喜びも多く何事も長続きするから、何をしても余裕が現れる。
卑しい心を持った人は、心が忙しないから、物事に恵まれず何事も長続きしないから、何をしても忙しない。
つまり、完成した人間には、幸せが向こうから好んで来るが、心が卑しい未完成な人間は、苦しみが向こうから好んで来ますよということ。
言換えれば、活人は、幸福になりたければ先ずは人間として徳を積んで自分を完成することだ。勿論、不幸になりたければ、“こせこせ”していれば、自然と不幸になれる。
翻って言えば、物事に対する場合は、焦らずユッタリとした気持ちで対応していれば、いろいろな発見があり、気付きがあり、結果的に完成された人間になり、気が付くと幸せになっていることを活人は肝に銘じておこう。
慧智(030704)