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■前集206項

聞悪不可就悪、恐為纔夫洩怒。
聞善不可急親、恐引奸人進身。

悪(あく)を聞(き)いては、就(すなわ)ち悪(にく)むべからず、恐(おそ)らくは纔夫(ざんぶ)の怒(いか)りを洩(も)らすを為(な)さん。
善(ぜん)を聞(き)いては、急(きゅう)に親(した)しむべからず、恐(おそ)らくは奸人(かんじん)の身(み)を進(すす)むるを引(まね)かん。

人の悪事を聞いたからといって、直ぐに悪と決め付けず、人を陥れる者の損失誘導かどうか確かめなさい。
人の善行を聞いたからといって、直ぐに親しくしてはならなず、心の捻じ曲がった者の利益誘導かどうか確かめなさい。
つまり、伝聞を事実確認足に信じて行動に移してはならない。
言換えれば、活人は、噂話や口車にうっかり乗ると痛い目に遭うということを忘れてはならない。
翻って言えば、一にも二にも先入観の無い純粋な「事実」を原因に判断し、行動していてこそ活人なのだ。
慧智(030705)