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■前集210項

節義之人済以和衷、纔不啓忿争之路。
功名之士承以謙徳、方不開嫉妬之門。

節義(せつぎ)の人(ひと)は、済(すく)うに和衷(わちゅう)を以(もっ)てせば、纔(わず)かに忿争(ふんそう)の路(みち)を啓(ひら)かず。
功名(こうめい)の士(し)は、承(う)くるに謙徳(けんとく)を以(もっ)てせば、方(ま)さに嫉妬(しっと)の門(もん)を開(ひら)かず。

節操のある人は、協調性を身に付ければ、トラブルの少ない生き方が開ける。
名誉を重んじる人は、謙譲心を身に付ければ、嫉妬の対象とならずに澄む。
つまり、固い人間はトラブルに巻き込まれ、大義名分を重視する人間は嫉妬心の対象になってしまうので、節操や大義というものは大切なのだが、あまりに拘り過ぎると、嫌われて足を引っ張られますよ、ということ。
言換えれば、活人は、環境を敏感に感じ取って、臨機応変に対応すべきなのだ。
慧智(030705)