■後集29項
貪得者、分金恨不得玉、封公怨不受侯、権豪自甘乞丐。
知足者、藜羮旨於膏梁、布袍煖於狐貉、編民不譲王公。
得(う)ることを貪(むさぼ)る者(もの)は、金(きん)を分(わか)たるるも玉(ぎょく)を得(え)ざるを恨(うら)み、公(こう)に封(ふう)ぜらるる侯(こう)を受(う)けざることを怨(うら)み、権豪(けんごう)なるも自(みず)から乞丐(きっかい)に甘(あま)んず。
足(た)ることを知(し)る者(もの)は、藜羮(れいこう)も膏梁(こうりょう)より旨(うま)しとし、布袍(ふほう)も狐貉(こかく)より煖(あたた)かなりとし、編民(へんみん)も王公(おうこうに譲(ゆず)らず。
物欲の強い者は、金を分けても、玉が得られなかったと恨み、貴族(華族)に取り立てられても、領主にしてくれないと恨み、権力者となっても乞食根性が抜けない。
身の程を知った者は、粗末な食事でも美味美食より美味しいと思い、ボロ布の服でも毛皮の服より暖かいと感じ、庶民であっても王侯にも劣らないと感じることが出来る。
つまり、欲が深い者は、どんなに恵まれた状態でも不幸しか感じないし、物欲を超越した者は、どんなに劣悪な状態でも幸せを感じるることが出来る。
言い換えれば、達人とは「足るを知って、幸せを味わっている」者なのだ。
慧智(030712)