■後集30項
矜名、不若逃名趣。
練事、何如省事閒。
名(な)に矜(ほこ)るは、名(な)を逃(のが)るるの趣(おもむき)あるに若(しか)ず。
事(こと)を練(ね)るは、何(なん)ぞ事(こと)を省(はぶ)くの閒(かん)なるに如(し)かん。
名声を誇ることは、名声を受けない趣には及ばない。
仕事に慣れていくことは、仕事を減らして行く趣には及ばない。
つまり、晴れがましさから受ける喜びより、奥ゆかしさから感じる喜びの方が大きく、まずまずの生活が出来るなら、忙しく生きるより、淡々と生きる方が心は豊だろう。
言い換えると、達人とは、著名で忙しく派手な生活を余儀なくされる者ではなく、無名でもゆったりとして過不足の無い生活が出来て居る者ということになるだろう。
翻って云えば、齷齪(あくせく)する者は達人とは言えないと思う。
慧智(030712)