■後集5項
得趣不在多。
盆池拳石間、煙霞具足。
会景不在遠。
蓬窓竹屋下、風月自賖。
趣(おもむき)を得(え)るは多(おお)きに在(あら)ず。
盆池拳石(ぼんちけいせき)の間(あいだ)にも、煙霞(えんか)具足(ぐそく)す。
景(けい)を会(かい)するは遠(とお)きに在(あら)ず。
蓬窓竹屋(ほうそうちきおく)の下(もと)にも、風月(ふうげつ)は自(おの)ずから賖(はるか)なり。
風情を知る心となるには、多くの事を見聞き経験する必要なない。
例えば、お盆のような池、拳大の石にも風情がある。
つまり、心に適う景色に出会うには遠くに行く必要はない。
蓬(よもぎ)の葉が茂った窓辺や竹で編んだ屋根の下のも、風情のある風や月は自然にやってくる。
つまり、退役したら、あれこれを見聞きし、あくせくと動き回りより、ドッシリと構えて生活していれば、趣のある風情は、自然とやって来るものです。
言い換えれば、達人は、退役後においても泰然自若、悠々と暮らしてさえいれば、望むものは向こうからやってきますということだろう。
慧智(030707)