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■後集35項

水流而境無声、得処喧見寂之趣。
山高而雲不碍、悟出有入無之機。

水(みず)流(なが)れて境(きょう)に声無(な)く、喧(けん)に処(しょ)して寂(じゃく)を見(み)るの趣(おもむき)を得(え)ん。
山(やま)高(たか)くして雲(くも)碍(さまた)げず、有(う)を出(い)で無(む)に入(い)るの機(き)を悟(さと)らん。

水が流れていても周辺には音がしないように、喧騒にあっても静寂を感じることは出来る。
山が高くそびえていても雲の行き来を妨げないように、存在の世界にあっても存在に左右されない「無」の境地を悟っている。
つまり、達人は「行雲流水」の真の意味を悟っているといえる。
言い換えれば、色即是空、空即是色の世界観の意味が理解し、「無」を体現出来えているということだろう。
慧智(030713)