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■後集38項

蘆花被下、臥雪眠雲、保全得一窩夜気。
竹葉杯中、吟風弄月、躱離了万丈紅塵。

盧花(ろか)被(ひ)の下(もと)、雪(ゆき)に臥(ふ)し雲(くも)に眠(ねむ)れば、一窩(いっか)の夜気(やき)を保全(ほぜん)し得(う)。
竹葉(ちくよう)杯(はい)の中(なか)、風(かぜ)に吟(ぎん)じ月(つき)を弄(もてあそ)べば、万丈(ばんじょう)の紅塵(こうじん)を躱離(たり)し了(おわ)る。

粗末な布団に包まり、雪の上に横たわり、雲の中に眠れば、霊気で満ちた気を取り入れることができ、元気が保てる。
また、竹葉清なる紹興酒を飲み、清風に詩を吟じ、名月を鑑賞すれば、世俗の垢はすっかり落ちてしまう。

つまり、達人は質素、自然体で暮らしてこそ元気でいられるし、風流を楽しむことで現役時代の垢が落ちるというものだ。
言い換えれば、退役して尚、世俗を交わるのは心身の健康を危険にさらす事になります、ということ。
慧智(030714)