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■後集39項

袞冕行中、着一藜杖的山人、便増一段高風。
漁樵路上、著一袞衣的朝士、転添許多俗気。
固知濃不勝淡、俗不如雅也。

袞冕(こんべん)の行中(こうちゅう)、一(いつ)の藜杖(れいじょう)の山人(さんじん)を着(つ)くれば、便(すなわ)ち一段(いちだん)の高風(こうふう)を増(ま)す。
漁樵(ぎょしょう)の路上(ろじょう)、一(いつ)の袞衣(こんい)の朝士(ちょうし)を著(つ)くれば、転(うた)た許多(きょた)の俗気(ぞくき)を添(そ)う。
固(まこと)に知(し)る、濃(のう)は淡(たん)に勝(まさ)らず、俗(ぞく)は雅(が)に如(し)かざるを。

正装の官僚の列に、仙人のような貧しい身なり者が一人混じれば、一段と品格が高まるだろう。
それに反し、漁師や木こりの列に正装の官僚が一人混じれば、一段と俗気が増すだろう。
このことから、濃厚な事は淡白な事に及ばないし、俗っぽい事は高尚な事には及ばないことが解かる。
つまり、達人は淡白で高尚な心や物事との関わりを大事にしなさい。ということ。
言い換えれば、濃厚で俗っぽいことは現役に任せておきなさいということ。
慧智(030714)