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■後集40項

出世之道、即在渉世中、不必絶人以逃世。
了心之功、即在尽心内、不必絶欲以灰心。

出世(しゅっせ)の道(みち)は、即(すなわ)ち世(よ)を渉(わた)る中(なか)に在(あ)り、必(かなら)ずしも人(ひと)を絶(た)ちて以(もっ)て世(よ)を逃(のが)れず。
了心(りょうしん)の功(こう)は、即(すなわ)ち心(こころ)を尽(つく)す内(うち)に在(あ)り、必(かなら)ずしも欲(ひと)を絶(た)ち以(もっ)心(こころ)を灰(はい)にせず。

迷いの世界を抜け出す方法は、取りも直さず、俗世間の中にあり、必ずしも人を避けて隠遁する必要はない。
悟りの工夫は、自分自身の本来の心の中にあり、欲望を断ち切り無味乾燥な生活をする必要はない。
つまり、達人の悟りへの道は、極めて身近にあるということ。
言い換えれば、達人の悟りは、己の本心との対面で実現するだろうということ。
慧智(030714)