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■後集48項

身如不繋之舟、一任流行坎止。
心似既灰之木、何妨刀割香塗。

身(み)は繋(つな)がざるの舟(ふね)の如(ごと)く、一(いつ)に流行坎止(りゅうこうかんし)するに任(まか)す。
心(こころ)は既(すで)に灰(はい)となれる木(き)に似(に)て、何(なん)ぞ刀割香塗(とうかつこうと)を妨(さまた)げん。

身体というのは、舫い綱のとけた小舟のように、成り行き任せとなる。
心というものは、枯れてしまった木のように、俎板の上の鯉状態となる。
つまり、身体も心も、思うようにならないのが常で、下手な抵抗するより、任せ切るという勇気を持ちなさいと諭されているように思う。
言換えれば、達人は自然の摂理に逆らわず、摂理そのものになれと言われているのだろう。
慧智(030716)