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■後集51項

欲其中者、波沸寒潭、山林不見其寂。
虚其中者、凉生酷暑、朝市不知其喧。

其(そ)の中(なか)を欲(よく)にする者(もの)は、波(なみ)、寒潭(かんたん)に沸(わ)き、山林(さんりん)もその寂(せき)を見(み)ず。
其(そ)の中(なか)を虚(きょ)にする者は、凉(りょう)、酷暑(こくしょ)に生(しょう)じ、朝市(ちょうし)も其(そ)の喧(けん)を知(し)らず。

欲張りの者は、澄んだ岸辺に波が沸き立つように、山林に居ても、その静けさを味わえない。
邪念の無い者は、猛暑に冷風が生じるように、街中に居ても、その喧騒を気に留めない。
つまり、人間は気持ちの在り方で、どこにいても不満がある者は不満、満足な者は満足ということ。
言換えれば、達人は随所で主となり、淡々としていられるのもの、ということだ。
慧智(030717)