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■後集53項

読易暁窓、丹砂研松間之露。
譚経午案、宝磬宣竹下之風。

易(えき)を暁窓(ようそう)に読(よ)みて、丹砂(たんさ)を松間(しょうかん)の露(つゆ)に研(と)ぎ、経(きょう)を午案(ごあん)に譚りて、宝磬(ほうけい)を竹下(ちくか)の風(かぜ)に宣(の)ぶ。

日の出近くには窓辺で易経を読み、書き物に朱入れをするのに朝露で墨を磨る。
午後には机に向かい仏典を論じながら、宝磬を鳴らし竹林の風に響かせている。
つまり、達人とは正に風流なものだ。
言換えれば、達人は「もっともっとの心」を忘れて安心して生きていられる人だと言える。