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■後集54項

花居盆内、終乏生機、鳥入籠中、便減天趣。
不若山間花鳥、錯雑成文、翺翔自若、自是悠然会心。

花(はな)、盆内(ぼんない)に居(お)れば、終(つい)に生機(せいき)に乏(とぼ)しく、鳥(とり)、籠中(ろうちゅう)に入(い)らば、便(すなわ)ち天趣(てんしゅ)を減(げん)ず。
若(し)かず、山間(さんかん)の花鳥(かちょう)、錯雑(さくざつ)して文(ぶん)を成(な)し、翺翔(こうしょう)することを自若(じじゃく)、自(おの)ずから是(こ)れ悠然(ゆうぜん)として会心(かいしん)する。

美しい花は、植木鉢に在れば生気が衰え、鳥は籠の中に入れられれば、自然な趣が失われる。
大自然とは、山々にある花や鳥が、自由に咲き乱れ、鳥が乱舞するように、自然に悠々の様であることを心得ているものなのだ。
つまり、達人は町の小さな家に居るより、広々とした自然の中で暮らせば、自ずと元気になり、心は穏やかになるものなのだ。
言換えれば、達人には大自然の中で自然体で暮らすことがお似合いなのだろう。
慧智(030717)