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■後集56項

自老視少、可以消奔馳角逐之心。
自瘁視栄、可以絶紛華靡麗之念。

老(ろう)自(よ)り少(しょう)を視(み)れば、以(もっ)て奔馳角逐(ほんちかくろう)の心(こころ)を消(け)すべし。
瘁(すい)自(よ)り栄(えい)を視(み)れば、以(もっ)て紛華靡麗(ふんかびれい)の念(ねん)を絶(た)つべし。

老人の視点で年少者をみれば、軽率な出世競争をする心を無くすことが出来る。
没落者の視点で栄華の生活をみれば、上辺だけの豪奢な生活を求める心を無くすことが出来る。
つまり、相手の視点に立って物事を眺めれば、無駄な動きというのがはっきり見えるということ。
言い換えれば、達人は、自分を空しくして、相手の身になって物事を観察し、考えることが大切だということ。
慧智(030717)