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■後集58項

熱閙中、着一冷眼、便省許多苦心思。
冷落処、存一熱心、便得許多真趣味。

熱閙(ねつどう)の中(うち)に一(いつ)の冷眼(れいがん)を着(つ)くれば、便(すなわ)ち許多(きょた)の苦(く)の心思(しんし)を省(はぶ)く。
冷落(れいらく)の処(ところ)に一(いつ)の熱心(ねっしん)を存(そん)せば、便(すなわ)ち許多(きょた)の真(しん)の趣味(しゅみ)を得(う)る。

忙しさに忙殺されている時に、冷静な目で物事が見えたら、どれ程辛い思いをしなくて済むだろうか。
落ちぶれた状態の時に、情熱を以て物事に対処できたら、どれ程の醍醐味を味わえるだろうか。
つまり、達人たるものは、忙しいときにはクールに、暇になってしまった時にはホットに行動すれば万事上手く行くということだ。
言換えれば、俗世間の流れに飲まれないことが、達人を達人である所以と覚えてこう。
慧智(030717)