«« ■後集121項 | メイン | ■後集123項 » »

■後集122項

花看半開、酒飲微酔。
此中大佳趣。
若至爛漫骸醄、便成悪境矣。
履盈満者、宜思之。

花(はな)半(なかば)開(ひら)くを看(み)、酒(さけ)微(かすか)に酔(よい)に飲(を)む。
此(この)中(うち)に大(おお)いに佳趣(かしゅ)有(あ)り。
若(も)し爛漫骸醄(らんまんもうとう)に至(いた)らば、便(すなわ)ち悪境(あくきょう)を成(な)す。
盈満(えいまん)を履(ふ)む者(もの)、宜(よろ)しく之(これ)を思(おも)うべし。

花は五分咲きを観て、酒はほろ酔い程度に飲む。
このような状態がこの上なく素晴らしいのだ。
もし、満開の花を観て泥酔するほど酒を飲めば、この世の地獄と化すのだ。
絶頂期にある者は、この点をよく考えておこう。
つまり、達人は、何事も控えめで、少々足りない程度を最適と自覚しておきなさいということだ。
言い換えれば、心身の健康には、何事も腹八分、足るを知る心ということだ。
慧智(030728)