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■前集62項

学者有段兢業的心思、又要有段瀟洒的趣味。
若一味斂束清苦、是有秋殺無春生。
何以発育万物。

学ぶ者は、段(だん)の兢業(きょうぎょう)の心思(しんし)有(あ)り、又段(まただん)の瀟洒(しょうしゃ)の趣味有(しゅみあ)るを要(よう)す。
若(も)し一味(いちみ)に斂束清苦(れんそくせいく)なるにみならば、是れ秋殺(しゅうさつ)ありて春生(しゅんせい)無きなり、何を以(もっ)てか、万物(ばんぶつ)を発育(はついく)せん。

学問を志す者は、自分を戒める気持ちを持ったうえで、拘りのない心が必要だ。もし、自分を戒めし過ぎて、赤貧生活をしているようでは、落ち葉散る秋のようで、萌えぎ多き春には遠く、全てを活かすことは出来ない。
つまり、活人が学問で大成しようとするなら、自分を戒めし過ぎず、そこそこの生活を楽しみ、周囲の者を応援するような気持ちがなければ、大したことの無い人間で終わってしまうということ。
言い換えれば、活人は自分をも大事にする人なのだ。
慧智(030606)