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■前集68項

為悪而畏人知、悪中猶有善路。
為善而急人知、善処即是悪根。

悪を為(な)して人の知らんことを畏(おそ)るは、悪中(あくちゅう)にも尚(なお)善路(ぜんろ)有り。
善を為(な)して人の知らんことを急(いそ)ぐは、善処(ぜんしょ)即(すなわ)ち是(これ)悪根(あっこん)なり。

悪いことをしていながら、他人に知られるのを恐れるのは、悪の中にいながらも善の道を歩ける可能性がある。
良いことをしていながら、他人に知られるのを急ぐのは、善を行った事そのものが悪の根源なのだ。
つまり、「高慢な者」より「恐れを知る者」の方が、未来に可能性があるということ。
言い換えれば、活人は、自分の本質を知っている人間と言うことだろう。
慧智(030608)