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■前集77項

地之穢者多生物、水之清者常無魚。
故君子当在含垢納汚之量。不可持好潔独行之操。

地の穢(けが)れたるは、多く物を生じ、水の清めるは、常に魚無し。
故に君子は、当(まさ)に垢(こう)を含み汚(お)を納(い)るるの量(りょう)を在(そん)すべく、潔(けつ)を好み独り行なうの操を持(じ)すべからず。

見た目は悪いが肥沃な土地は沢山の作物が出来るが、綺麗すぎる水には魚は住まない。
だから上に立つ者は、見た目に惑わされることの無いような度量が必要で、潔癖で独りよがりな心を持ってはならない。
つまり、上に立つ者は清濁合わせ飲む懐ような心の広さと深さが必要なのだ、ということ。
言い換えれば、上に立てる者が活人で、活人はいつでも上に立っている心で生きて行くべきなのだ。
慧智(030610)