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■前集80項

耳目見聞為外賊、情欲意識為内賊。
只是主人翁、惺惺不昧。
独坐中堂、賊便化為家人矣。

耳目見聞(じもくけんぶん)は外賊(がいぞく)為(た)り。情欲意識(じょうよくいしき)は内賊(ないぞく)たり。
只だ是れ主人翁(しゅじんおう)にて、惺々不昧(せいせいふまい)。
中堂(ちゅうどおう)に独坐(どくざ)すれば、賊(ぞく)も便(すなわ)ち化(か)して家人(かじん)と為(な)らん。

見聞きするだけの者は盗人、欲望や浅考は、手を噛む飼い犬のようなもの。
しかし、人間に本来備わっている善なる心を「坐禅」をして守れば、汚染もされず、盗人も飼い犬も家族のような存在となるのだ。
つまり、人間は外部からの情報とそれを反映した考えが貧しい心をつくろうとするが、日々の坐禅をして修行して自分の本来心さえしっかりしておけば、卑しい人生を送らないということ。
言い換えれば、活人は拡大家族で生きる卑しさを敵としている人間と言える。
慧智(030610)