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■前集160項

信人者、人未必尽誠、己則独誠矣。
疑人者、人未必皆詐、己則先詐矣。

人を信ずる者は、人(ひと)未(いま)だ必ずしも尽(ことごと)く誠(まこと)ならざるも、己(おのれ)は則(すなわ)ち独(ひと)り誠(まこと)なり。
人を疑う者は、人(ひと)未(いま)だ必ずしも皆(みな)詐(いつわ)らざるも、己(おのれ)則(すなわ)ち先(ま)ず詐(いつわ)れり。

他人を信じる者は、人間誰もが誠実であるとは限らないなかで、確実に誠実な人間である。
他人を疑う者は、人間誰もが不誠実とは限らないが、確実に不誠実な人間である。
つまり、他人は自分の鏡ですよ、ということ。言い換えれば、信じる人間は信じられ、疑う人間は疑われ、嘘をつく人間は嘘をつかれるのですよ、ということ。
慧智(030625)