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■前集161項

念頭寛厚的、如春風煦育。
万物遭之而生。
念頭忌刻的、如朔雪陰凝。
万物遭之而死。

念頭(ねんとう)の寛厚(かんこう)なるは、春風(しゅんぷう)の煦育(くいく)するが如し。
万物(ばんぶつ)は之(これ)に遭(あ)いて生ず。
念頭(ねんとう)忌刻(きこく)なるは、朔雪(さくせつ)の陰凝(いんぎょう)するが如し。
万物は之に遭(あ)いて死す。

気持ちがゆったりとして豊かな人は、春の風が万物に息吹を吹き込み育てるように、恩恵を受けると成長する。
一方、残忍で冷酷な心の人は、北国の雪が万物を凍りつかせてしまうように、
災いに遭遇すればみな枯れて死んでしまう。
つまり、人間の価値は心の広さ温かさであり、それのみが全てを発展させる極意だということ。
言換えれば、活人の真価は心の質量で計られるということ。
慧智(030626)