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■前集162項

為善不見其益、如草裡東瓜。
自応暗長。
為悪不見其損、如庭前春雪。
当必潜消。

善を為(な)すも其の益を見ざるは、草裡(そうり)の東瓜(とうか)の如し。
自(おの)ずから応(まさ)に暗(あん)に長(ちょう)ずべし。
悪を為(な)すも其の損を見ざるは、庭前(ていぜん)の春雪(しゅんせつ)の如し。
当(まさ)に必(かなら)ず潜(ほそか)に消(き)ゆべし。

良いことをしても、その結果が見えないのは、草むらに自生するウリのようなもので、見えずとも自然に大きくなっているのだ。
これに対し、悪事を働いても、その報いが現れないのは庭先に積もった春の雪のようなもので、気が付かないうちに身を滅ぼしてゆくものだ。
つまり、良いことでも、悪いことでも、直ぐには結果が見えないことがあるが、良いことは良いことなり、悪いことは悪いことなりの結果が自然に出ますよ、ということ。
言換えれば、活人は、因果応報という法則を心に焼き付けておけということ。
慧智(030626)