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■前集165項

憑意興作為者、随作則随止。
豈是不退之輪。
従情識解悟者、有悟則有迷。
終非常明之橙。

意(い)の興(おこ)るに憑(よ)りて作為(さくい)する者は、随って作(な)さば則(すなわ)ち随(したが)って止(や)む。
豈是(あにこれ)不退(ふたい)の輪(りん)ならんや。
情(じょう)の識(し)るに従って解悟する者は、悟ること有(あ)らば則(すな)ち迷(まよ)うこと有(あ)り。
終(つい)に常明(じょうみょう)の橙(ともしび)に非(あら)ず。

気分次第で動く者は、始めれば直ぐに止めてしまう。
そんなことでは逆回転しない車輪ではない。(不退転の人間ではない)
同じように、俗人の知性レベルで悟ったかに思っている者は、偽の悟りなので一進一退で、結局は人々の常夜灯にはならない。
つまり、自分を高めようとする者は、普段から不退転を実践していないと、仮に大きな発見があり悟りに通じたとしても、それは風前の灯火でであり、ちょっと風が吹けば消えてしまう程度で、信用するに値しないということ覚えておけということ。
言換えれば、活人は、不退転の覚悟をもった人間ということだ。
慧智(030626)