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■前集172項

心体便是天体。
一念之喜、景星慶雲。
一念之怒、震雷暴雨。
一念之慈、和風甘露。
一念之厳、烈日秋霜。
何者少得。
只要随起随滅、廓然無碍。
便与太虚同体。

心体(しんたい)は、便(すなわ)ち是れ天体(てんたい)なり。
一念(いちねん)の喜(よろこ)びは、景星慶雲(けいせいけいうん)なり。
一念の怒(いか)りは、震雷暴雨(しんらいぼうう)なり。
一念の慈(いつく)しみは、和風甘露(わふうかんろ)なり。
一念の厳(きび)しさは、烈日秋霜(れつじつしゅうう)なり。
何者(なにもの)か少(か)き得(え)ん。
只(ただ)、随(した)って起(おこ)り随(したが)って滅(めっ)し、廓然(かくぜん)として碍(さわり)無(な)きを要(よう)せば、便(すなわ)ち太虚(たいきょ)と体(たい)を同(おな)じくす。

人間の心は、そのまま宇宙と相似である。
喜びの心は、めでたい星やめでたい雲である。
怒りの心は、轟く雷や激しい雨である。
慈しみの心は、のどかな風や恵みの雨である。
厳しい心は、照りつける太陽や秋の霜である。
どれも欠くことが出来ない。
ただ、現象すれば直ぐに消え、その後はカラリとして後を引かないので、宇宙と心は相似形といえるのである。
つまり、宇宙をマクロコスモス、心をミクロコスモスと言い、ありとあらゆる現象が相似形なので、心は大宇宙に学べるということ。
言換えれば、活人は、脳こそ正に宇宙の一部であり、宇宙こそ脳であると考えるのが合理的であることを覚えておきなさい。
慧智(030628)