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■前集181項

誇逞功業、炫燿文章、靠皆是外物做人。
不知心体螢然、本来不失、即無寸功隻字、亦自有堂堂正正做人処。

功業(こうぎょう)に誇逞(こてい)し、文章(ぶんしょう)を炫燿(げんしょう)するは、皆是(みなこ)れ外物(がいぶつ)に靠(よ)りて人(ひと)と做(なる)なり。
知らず、心体螢然(しんたいけいぜん)として、本来(ほんらい)を失(うしな)わざれば、即(すなわ)ち寸功隻字(すんこうせきじ)無きも、亦(また)自(おのず)から堂々正々(どうどうせいせい)として、人と做(なる)の処(ところ)有るを。

秀でた業績を誇り、知識をひけらかすのは、全て「自分以外」のものに頼って生きている者に他ならない。
このような人間は、「玉が輝く」ような人の心の本性を失わなければ、功績や知識が無くても、一人独立して正々堂々と生きてゆけることを知らない。
つまり、世間が社交辞令で褒め上げるような、事業の成功や知識など、誰にでも例外なく備わっている「本来の自己」の素晴らしさに比べれば「砂上の楼閣」のように事あれば崩れるようなものに頼って生きているのはナンセンス、ということ。
言い換えれば、活人は、どんな人間にも飾り物では適わない「素晴らしい心」があるので、素直にそれを見なさいということ。
翻って言えば、それこそが活人にとって最高の人生になりますよ、ということ。
慧智(030630)