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■前集182項

忙裡要偸閒、須先向閒時討個欛柄。
閙中要取静、須先従静処立個主宰。
不然、未有不因境而遷、随事而靡者。

忙裡(ぼうり)に閒(かん)を偸(ぬす)まんを要(よう)さば、須(すべか)らく先(ま)ず閒事(かんじ)に個(こ)の欛柄(はへい)を討(たず)ぬべし。
閙中(どうちゅう)に静(せい)を取(と)らんことを要(よう)さば、須(すべか)らく先(ま)ず静処(せいしょ)より個(こ)の主宰(しゅさい)を立(た)つべし。
然(しか)らざれば、未(いま)だ境(きょう)に困(よ)りて遷(うつ)り、事(じ)に随(したが)いて靡(なび)かざる者(もの)有(あ)らず。

忙しい時に閑をつくりたいと思うなら、先ずは閑な時に少々のコツを見つける努力をしなさい。
忙しい時に静けさが欲しいなら、先ずは静かな所で主体性を獲得しておかないと、必ず環境や状況に振り回され主体性を失う。
つまり、これも本質的には「坐禅の奨め」であり、ゴールは随所で主となれ、ということ。
言い換えれば、活人は、「心は絶えず平常(平常心是道)」を実現するためにには先ずコツを身に着けなさいということ。そうしないと、他人や状況に振り回されあなた自身の主体性を失ってしまいますよ、という警告だろう。
慧智(030630)