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■前集184項

居官有二語、曰惟公則生明、惟廉則生威。
居家有二語、曰惟恕則情平、惟倹則用足。

官(かん)に居(お)るに二語(にご)あり、曰(いわ)く、「惟(ただ)公(こう)ならば、則(すなわ)ち明(めい)を生(しょう)じ、惟(ただ)廉(れん)なれば則(すなわ)ち威(い)を生(しょう)ず」。
家(いえ)に居(お)るに二語(にご)あり、曰(いわ)く、「惟(ただ)恕(じょ)ならば、則(すなわ)ち情(じょう)平(たい)らかに、惟(ただ)倹(けん)なれば則(すなわ)ち用(よう)足(た)る」。

役人には二つの戒め、「公平であれば明朗な行政が生まれ、清廉潔白であれば威厳が生まれる」がある。
家庭には二つの戒め、「慈悲深ければ家庭円満で穏やかになり、質素倹約であれば、家計が安定する」がある。
つまり、役人の心構えは公明正大と清廉潔白、家庭人の心構えは温和で質素倹約。それが出来れば、役人には威厳が、家庭人には安心な経済が実現しますよ、ということ。
言い換えれば、活人は、「修身齋家治国平天下(身を正しくして、家を修め、国を治められれば、世界平和だ)」ということ常に忘れるなということである。なお、この「大学」にある句から「修身」という表現が生まれているが、日本には、これが出来ない政治屋と教師団体、役人組織の協働で死語にされたのが残念。
慧智(030630)