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■前集202項

世人以心肯処為楽、却被楽心引在苦処。
達士以心払処為楽、終為苦心換得楽来。

世人(せじん)は、心の肯(うけが)う処(ところ)を以(もつ)て楽しみと為(な)し、却(かえ)って楽心(らくしん)に引(ひ)かれて苦処(くしょ)に在(あ)り。
達士(たっし)は、心の払(もと)る処(ところ)を以(もつ)て楽しみと為(な)し、終(つい)に苦心(くしん)を楽しみに換(か)え得(え)て来(き)たると為(な)す。

俗人は、満足することを「楽しみ」としているが、それが結局は楽しみを得ようとして苦境に追い込まれている。
達人は、心を「無」にする事を「楽しみ」としているので、苦しみを楽しみに転換することが出来る。
つまり、満足を求める道には苦しみがあり、満足を捨てる道には楽しみがあるということ。
言い換えれば、活人は、人間という生き物は、欲望が苦しみを生み出しているのだから、真実の楽しみは欲望から離れることで味わえるということを知っておけということだ。
慧智(030704)