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■前集208項

用人不宜刻。
刻則思効者去。
交友不宜濫。
濫則貢諛者来。

人(ひと)を用(もち)うるには、宜(よろ)しく刻(こく)なるべからず。刻(こく)なれば則(すなわ)ち、効(こう)を思(おも)う者(もの)は去(さ)らん。
友(とも)に交(まじ)わるには、宜(よろ)しく濫(らん)なるべからず。
濫(らん)なれば則(すなわ)ち、諛(ゆ)を貢(こう)する者(もの)来(き)たらん。

人を使うには厳しすぎてはならない。厳しすぎると、手柄を立てようとする者は去ってしまう。
友人と交際するには、無節操になってはならない。無節操だと、媚び諂う者まで集まってしまう。
つまり、能力のある人間を使う場合は、厳し過ぎるとすると、辞めてしまい、友達との交際は節度がないと、“よいしょ”人間が近寄ってきて、結果自分を過信するようになり、最終的には、仕事面に影響を与え部下の能力を冷静に判断できず、厳しい扱いをして、才能のある人間は去ってしまいますよ、ということ。
言い換えれば、活人は、仕事関係でも、私生活でも、相手とは適度な距離を保ち、合理的な関係を保ちなさいということ。